他の人がやってきて
この小包みの紐
どうしたら解けるかしらと言う
他の人がやってきては
こんがらがった糸の束
何とかしてよと言う
鋏で切れいと進言するが
肯じない
仕方なく手伝う もそもそと
行きているよしみに
こういうのが生きてるってことのおおよそか
それにしてもあんまりな
まきこまれ
ふりまわされ
くたびれはてて
ある日卒然と悟られる
もしかしたら たぶんそう
沢山のやさしい手が添えられたのだ
一人で処理してきたと思っている
私の幾つかの結節点にも
今日までそれと気づかせぬほどのさりげなさで
茨木のり子
このBlogで紹介した本は、かあさんの運営する『暮らしの寺子屋』で閲覧できるよ
0コメント